省力化投資補助金一般型の採択傾向【2026年最新】|第1〜5回の採択率・業種を分析

省力化投資補助金一般型 採択傾向分析

人手不足が深刻化するなか、設備投資による省力化を後押しする「省力化投資補助金(一般型)」が注目を集めています。とはいえ、申請を考えるときに最も気になるのは「本当に採択されるのか」という点ではないでしょうか。

この補助金は、他の主要な補助金と比べて採択率が高いことで知られています。ただし、回を重ねるごとに、採択される企業の顔ぶれは少しずつ変化しています。どんな業種や規模の企業が採択されているのか。それを知ることは、申請戦略を立てるうえで欠かせません。

本コラムでは、公式に公表された第1回から第5回までの採択結果をもとに、省力化投資補助金の採択傾向を分析します。制度の概要にはじまり、採択されやすい企業の特徴、そして申請時のポイントまでを整理しました。

「自社は対象になるのか」「採択の可能性はどのくらいか」を見極めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。数字の裏にある傾向をつかめば、申請の一歩が踏み出しやすくなるはずです。

目次

省力化投資補助金(一般型)とは?制度の概要

制度の目的と背景 ― 深刻化する人手不足への対応

省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業を支援する制度です。IoTやロボットなど、人手不足の解消に効果があるデジタル技術等を活用した設備の導入費用の一部を補助します。

正式名称は「中小企業省力化投資補助事業(一般型)」です。個別の現場や事業内容に合わせて、設備導入やシステム構築を行える点が特徴です。

この制度が目指すのは、単なる省力化にとどまりません。中小企業の付加価値額や生産性の向上を図り、最終的に賃上げにつなげることを目的としています。慢性的な人手不足を、設備投資によって乗り越えるための補助金といえます。

補助率・補助上限額・対象経費

補助上限額は、従業員数によって段階的に決まります。従業員5人以下は750万円、6〜20人は1,500万円、21〜50人は3,000万円です。さらに51〜100人は5,000万円、101人以上は8,000万円が上限となります。大幅な賃上げを行う場合には、上限額がさらに引き上げられます。最大では1億円までの補助が可能です。

補助率は原則2分の1です。ただし、小規模企業者・小規模事業者や再生事業者は3分の2となります。設備投資の負担を大きく軽減できる水準です。

対象となる事業者

対象者の範囲は比較的広く設定されています。中小企業者に加え、小規模企業者・小規模事業者が対象です。さらに、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、社会福祉法人も含まれます。

申請は公募回制で受け付けられます。締切ごとに区切って審査が行われる仕組みです。

このように、幅広い事業者が活用できる制度です。次章では、実際にどれくらいの企業が採択されているのか、第1〜5回の実績を見ていきます。

【第1〜5回】省力化投資補助金の採択率の推移

省力化投資補助金の申請数・採択数・採択率の実績

まず、公式に公表された実績を見てみましょう。

中小企業省力化投資補助金一般型 申請件数・採択件数・採択率の推移(公式情報を基に筆者作成)
中小企業省力化投資補助金一般型 申請件数・採択件数・採択率の推移(公式情報を基に筆者作成)
公募回申請数採択数採択率
第1回1,809件1,240件68.5%
第2回1,160件707件60.9%
第3回2,775件1,854件66.8%
第4回2,100件1,456件69.3%
第5回2,035件1,251件61.5%

省力化補助金の採択率が高い理由

注目すべきは、この採択率の高さです。5回を通じて、採択率は60.9%から69.3%の範囲で安定しています。

この水準は、他の主要な補助金と比べても際立っています。たとえば、ものづくり補助金は約33%、新事業進出補助金は約37%です。省力化投資補助金の採択率が、いかに高いかがわかります。

その一方で、申請が集中した回では、採択率がやや下がる傾向も見られます。第3回では申請数が前回比2倍以上に急増しました。予算枠には限りがあるため、申請が増えれば競争が激しくなります。とはいえ全体としては、申請しやすい制度である点は変わりません。

採択企業の業種別傾向とその変化

出典:中小企業省力化投資補助金 一般型公募(第5回) 採択結果について
出典:中小企業省力化投資補助金 一般型公募(第5回) 採択結果についてhttps://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/grant_adoption_summary_ippan_05.pdf

製造業・建設業が採択の中心

採択された企業を業種別に見ると、明確な特徴があります。中心となるのは製造業と建設業です。

第1回では、製造業が採択全体の61.7%を占めました。建設業は11.3%です。第5回でも、製造業49.7%、建設業17.7%と、この2業種が上位を占めています。

両者を合わせると、全5回を通じて約6〜7割に達します。設備投資による省力化と相性が良い業種が、採択の主軸となっているといえます。まずはこの傾向を押さえておきましょう。

サービス業・農業へと広がる採択の裾野

一方で、回を重ねるごとに変化も生まれています。製造業への一極集中が、徐々にやわらいでいるのです。

製造業の構成比は、第1回の61.7%から第5回には49.7%まで低下しました。約12ポイントの減少です。逆に建設業は11.3%から17.7%へと上昇しています。

サービス業や農業も存在感を増しています。学術研究・専門技術サービス業は第1回の2.7%から第5回は6.1%へ拡大しました。農業・林業も1.9%から3.7%へと伸びています。

建設業では、積算・見積りの自動化システムやICT建機の導入が採択されています。サービス業では、予約・受付業務の自動化が対象となりました。業種を問わず、省力化投資の裾野が広がっているのです。

採択企業の規模別傾向(従業員数・資本金・申請額)

省力化投資補助金 採択企業の小規模事業者構成比の推移(第1〜5回)※公式情報を基に筆者作成
省力化投資補助金 採択企業の小規模事業者構成比の推移(第1〜5回)※公式情報を基に筆者作成

従業員数別に見る採択の傾向

採択企業の規模にも、はっきりとした変化が見られます。特に従業員数の傾向は注目に値します。

第1回で最も多かったのは、従業員21〜30人の層でした。ところが第2回以降は、6〜10人の層が中心になります。さらに第4回では、5人以下が最多となりました。

従業員10人以下の小規模層に注目すると、その変化は明らかです。合計の構成比は、第1回の約26%から第4回には約36%へと上昇しました。制度が小規模事業者へ着実に浸透していることがわかります。

資本金・申請額別の採択傾向

同じ傾向は、資本金の分布にも表れています。

最も多いのは、全5回を通じて資本金1,000〜2,000万円未満の層です。ただし、その比率は第1回の34.0%から第5回には28.2%へ低下しました。代わって、100〜500万円未満の層が16.0%から19.9%へ拡大しています。

申請額の分布も見ておきましょう。最頻値は一貫して1,500〜1,750万円未満です。一方で第4回では、750〜1,000万円未満の小額帯が16.8%まで増えました。投資規模の小さい案件が増え、全体として小型化が進んでいるといえます。

省力化投資補助金はどんな企業におすすめ?

こんな経営課題を抱える企業に向いている

省力化投資補助金は、人手不足を設備投資で解決したい企業に向いています。次のような課題を抱える企業には、特に有効です。

慢性的な人手不足に悩む企業

求人を出しても人が集まらない。そうした状況で、設備による省力化は現実的な打開策になります。

特定の作業が熟練者に依存している企業

ベテランが退職すれば、技術やノウハウが失われかねません。作業の自動化・標準化は、この属人化の解消につながります。

この補助金は、付加価値額や生産性の向上を通じて、賃上げにつなげることを目的としています。省力化で生まれた余力を、より付加価値の高い業務へ振り向けたい企業にも適しています。

業種・規模を問わず採択の可能性がある

「自社は製造業ではないから対象外では」と考える必要はありません。採択傾向を見れば、その理由がわかります。

前章までで見たとおり、採択の裾野は着実に広がっています。建設業やサービス業、農業でも採択が進んでいます。従業員数の少ない小規模事業者の採択も増えています。

対象者の範囲も広く設定されています。中小企業者はもちろん、小規模企業者・小規模事業者も対象です。さらに、特定非営利活動法人や社会福祉法人まで含まれます。

業種や規模を理由に、申請をためらう必要はありません。人手不足という課題を抱えているなら、まず検討する価値のある補助金です。

省力化投資補助金で採択されるためのポイントと今後の見通し

採否を分ける「課題の明確さ」と「設備の適合性」

採択率が高い制度とはいえ、申請すれば必ず通るわけではありません。採否を分けるポイントを押さえておきましょう。

鍵となるのは、業種や規模ではありません。「課題の明確さ」「設備の適合性」です。

建設業では積算・見積りの自動化システムが採択されました。サービス業では予約・受付業務の自動化が対象です。いずれも、自社の課題と導入設備がしっかり結びついています。

つまり、どの作業に負担が集中しているのかを明確にすることが出発点です。そのうえで、その課題を解決する設備を選ぶ。この論理が通っていれば、業種や規模を問わず勝機があります。計画の説得力が、採択を左右するのです。

今後の採択率の見通しと申請のタイミング

最後に、今後の見通しを整理します。

これまでの採択率は、60.9%から69.3%の範囲で安定しています。第6回の採択発表は、本記事の時点では未公表です。

ただし、注意すべき点もあります。予算枠には限りがあります。今後さらに応募が集中すれば、審査の厳格化や採択率の低下も考えられます。

高い採択率が続くうちに、早めに準備を進めるのが得策です。申請には事業計画の作成や、GビズIDプライムアカウントの取得も必要です。ID取得には一定の期間を要するため、早めの手続きが求められます。思い立ったら、まず準備から始めましょう。

株式会社ai-soumuでは、補助金申請のサポートを行っております。初回相談は30分無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください!

この記事を書いた人

株式会社 ai-soumu(エーアイソウム)
代表取締役 上瀬戸研次
中小企業診断士

事業会社にて18年に渡り経理・総務・人事・情報部門といったバックオフィス業務に従事。
会社設立後はバックオフィスの業務改善・DXの専門家として、IT導入補助金を活用してクラウド会計をはじめ、各種SaaSの販売および導入支援を行う。

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