デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠について、公募要領が2026年8月28日付で改訂されました。
今回の改訂で特に注目したいのが、中小機構が運営する「IT経営サポートセンター」の利用が、第6回公募から加点対象になったことです。
これまで加点対象となっていた「IT戦略ナビwith」に加え、「IT経営サポートセンター」も選択肢に加わったことで、申請事業者が活用できる加点項目の幅が広がりました。
ただし、IT経営サポートセンターは単に利用すれば加点されるわけではありません。利用申込の時期や、実際に相談を利用する期限など、いくつかの条件が設定されています。
特に、各公募回の交付申請締切日の前月末日までに利用が確認できることという期限が設けられているため、申請直前に準備を始めても間に合わない可能性があります。
本記事では、今回追加されたIT経営サポートセンターの加点について、従来のIT戦略ナビwithとの違いや利用時の注意点も含めて分かりやすく解説します。
デジタル化・AI導入補助金の「加点項目」とは
デジタル化・AI導入補助金では、申請要件を満たしたうえで、一定の取組を行っている事業者を評価するために複数の加点項目が設けられています。
通常枠では、賃上げに関する取組のほか、「健康経営優良法人2026」の認定、えるぼし・くるみん等の認定、「成長加速マッチングサービス」への登録など、さまざまな項目が加点対象として定められています。
加点項目は必ずしもすべての事業者が取得できるものではありません。
一方で、申請前に準備を進めることで対応できる項目もあります。
そのため、デジタル化・AI導入補助金を申請する際には、「申請要件を満たしているか」だけでなく、自社が活用できる加点項目がないかを早い段階で確認しておくことが重要です。
今回追加されたIT経営サポートセンターも、事前準備によって対応できる可能性がある加点項目の一つです。
第6回公募から「IT経営サポートセンター」が加点対象に
2026年5月15日時点の公募要領では、通常枠の加点項目9として、中小機構が運営するデジタル化支援ポータルサイト「デジwith」における「IT戦略ナビwith」を交付申請前に行っていることが定められていました。
IT戦略ナビwithを実施する際には、本補助金の申請に利用するGビズIDプライムを入力し、実施結果として表示された「IT戦略マップ」を交付申請時に添付することが条件となっていました。
しかし、2026年8月28日の改訂によって、この項目が変更されました。
最新版の公募要領では、「IT戦略ナビwith」または「IT経営サポートセンター」を利用していることが加点対象とされています。
つまり、第6回公募以降は、
- IT戦略ナビwithを利用する
- IT経営サポートセンターを利用する
このどちらかを所定の条件に沿って実施することで、加点対象となる可能性があります。
なお、両方を利用した場合でも、二重に加点されるわけではありません。
公募要領では、双方を利用した場合について「いずれか一方に対して加点を行う」と明記されています。
自社の状況や申請スケジュールなどを踏まえ、どちらを利用するか検討するとよいでしょう。
IT経営サポートセンターとは
中小企業のIT活用やDXを相談できる無料窓口
「IT経営サポートセンター」は、中小機構が運営している、中小企業・小規模事業者向けのIT相談窓口です。
公募要領では、1回60分の無料オンライン相談として紹介されています。
実務経験のあるIT専門家に対して、経営課題の整理から、ITツールの導入・活用方法まで相談することができます。
ITツールの導入を検討しているものの、
「どの業務からデジタル化すればよいか分からない」
「自社にはどのようなITツールが適しているのか分からない」
「すでにITツールを導入しているものの、うまく活用できていない」
といった悩みを持っている事業者も少なくありません。
IT経営サポートセンターでは、こうしたIT活用やDX化に関する相談が可能です。
また、公募要領では、課題が明確になっていない段階でも利用できるとされています。
単に補助金の加点を取得するためだけではなく、自社の経営課題やIT導入の方向性を整理する機会として活用できる制度と考えると分かりやすいでしょう。
IT経営サポートセンターで加点を受けるための条件
ここからは、実際にデジタル化・AI導入補助金で加点を受けるための条件を確認していきます。
①2026年8月1日以降に利用申込を行う
まず重要なのが、利用申込を行った時期です。
第6回公募以降の加点対象となるためには、2026年8月1日以降にIT経営サポートセンターの利用申込を行っていることが条件となっています。
過去にIT経営サポートセンターを利用したことがある場合でも、その利用時期によっては今回の加点対象にならない可能性があります。
そのため、すでに利用経験がある事業者についても、今回の申請における加点条件を満たしているか確認しておく必要があります。
②申込時の企業情報を正しく入力する
IT経営サポートセンターの利用申込時には、補助金の交付申請に使用する情報に基づいて、所定の企業情報を入力する必要があります。
法人の場合は、法人名・住所・法人番号を入力します。
個人事業主の場合は、「企業名」の欄に代表者氏名を入力します。
補助金申請とIT経営サポートセンターの利用情報を確認するための重要な項目と考えられるため、申込時には誤入力がないよう注意しましょう。
特に、法人名の表記や住所などについては、補助金申請時に使用する情報と相違がないか確認しておくことをおすすめします。
③交付申請日以前かつ、申請締切日の前月末日までに利用する
加点対象となるためには、IT経営サポートセンターへの申込だけでなく、実際に相談を利用していることが必要です。
公募要領では、**「交付申請日以前かつ、各公募回における交付申請締切日の前月末日まで」**の利用が確認できた場合に加点対象になると定められています。
例えば、交付申請の締切日が10月中に設定されている場合は、原則として9月末までにIT経営サポートセンターを利用しておく必要があります。
そのため、「交付申請前であればいつ利用してもよい」というわけではありません。
申請締切の直前になってから利用しようとしても、すでに加点対象となる期限を過ぎている可能性があります。
IT経営サポートセンターの加点を活用したい場合は、申請予定の公募回を確認したうえで、前月末日から逆算して早めに予約・利用を進めることが重要です。

| 確認項目 | 加点を受けるための条件 |
|---|---|
| 利用申込日 | 2026年8月1日以降 |
| 申込時の情報 | 法人名・住所・法人番号等を正しく入力 |
| 利用期限 | 交付申請日以前かつ、各公募回の交付申請締切日の前月末日まで |
| 対象公募 | 第6回公募から |
| IT戦略ナビwithとの併用 | 両方利用しても、いずれか一方のみ加点 |
IT戦略ナビwithとの違いは?
今回の改訂後も、「IT戦略ナビwith」は引き続き加点対象です。
そのため、「IT戦略ナビwith」と「IT経営サポートセンター」のどちらを利用すればよいのか迷う方もいるかもしれません。
IT戦略ナビwithの場合
IT戦略ナビwithを利用する場合は、交付申請前に実施することが条件です。
また、実施時には、本補助金の申請に使用するGビズIDプライムを入力する必要があります。
実施後に表示される「IT戦略マップ」は、交付申請時に添付しなければなりません。
つまり、IT戦略ナビwithを実施→ IT戦略マップを表示→ 交付申請時に添付という流れになります。
IT経営サポートセンターの場合
一方、IT経営サポートセンターは、IT専門家とのオンライン相談を利用する制度です。
公募要領上の主な条件は、
- 2026年8月1日以降に利用申込を行う
- 申込時に所定の企業情報を入力する
- 交付申請日以前かつ交付申請締切日の前月末日までに利用する
というものです。
このように、両者は加点項目としては同じ項目に位置付けられていますが、実施方法や期限が異なります。
特にIT経営サポートセンターについては、前月末日という明確な期限がある点に注意しましょう。
| IT戦略ナビwith | IT経営サポートセンター | |
|---|---|---|
| 内容 | IT戦略マップを作成 | IT専門家へのオンライン相談 |
| 利用方法 | Web上で実施 | 1回60分のオンライン相談 |
| 主な期限 | 交付申請前 | 申請日以前かつ締切日の前月末日まで |
| 申請時のポイント | GビズIDプライムを入力 | 法人名・住所・法人番号等を入力 |
| 必要な対応 | IT戦略マップを申請時に添付 | 所定の期限までに利用 |
| 加点 | 〇 | 〇(第6回公募~) |
申請直前ではなく、早めの加点確認が重要
デジタル化・AI導入補助金の申請準備というと、
「どのITツールを導入するか」
「補助対象経費はいくらになるか」
「必要書類をどのように準備するか」
といった点に意識が向きやすくなります。
しかし、加点項目の中には、今回のIT経営サポートセンターのように一定の期限までに対応していなければ利用できないものがあります。
申請直前になってから加点項目を確認すると、取得できる可能性があった加点を逃してしまうことも考えられます。
そのため、補助金の活用を検討し始めた段階で、
「申請要件を満たしているか」
「利用できるITツールがあるか」
「どの加点項目に対応できるか」
をまとめて確認しておくことが重要です。
審査事項には「セキュリティ対策」も追加
今回の2026年8月28日の公募要領改訂では、IT経営サポートセンターの追加とあわせて、交付申請の審査事項にも変更がありました。
新たに、「セキュリティ対策を進めているか」という審査事項が追加されています。
こちらはIT経営サポートセンターとは異なり、独立した加点項目として追加されたものではありません。
ただし、デジタル化・AI導入補助金では、ITツールを導入して業務効率化や生産性向上を図るだけでなく、情報セキュリティについても意識した取組が求められていることが読み取れます。
なお、通常枠の申請要件としては、従来からIPAが実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」のいずれかを宣言することが求められています。
補助金申請をきっかけにITツールを導入する場合は、業務効率化だけでなく、セキュリティ面についてもあわせて確認しておくとよいでしょう。
まとめ|第6回公募以降はIT経営サポートセンターも加点対象に
2026年8月28日の公募要領改訂により、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠では、第6回公募から「IT経営サポートセンター」の利用が新たに加点対象となりました。
従来から対象となっている「IT戦略ナビwith」と「IT経営サポートセンター」のいずれかを利用することで、加点対象となります。
ただし、IT経営サポートセンターを利用する場合は、2026年8月1日以降に利用申込を行い、交付申請日以前かつ各公募回の交付申請締切日の前月末日までに利用していることなどの条件があります。
特に「申請締切日の前月末日まで」という期限は見落としやすいため、注意が必要です。
デジタル化・AI導入補助金では、今回紹介した項目以外にも複数の加点項目が設けられています。
申請を検討している場合は、申請直前ではなく、できるだけ早い段階から自社が利用できる加点項目を確認し、余裕をもって準備を進めていきましょう。
株式会社ai-soumuでは、デジタル化・AI導入補助金について、申請要件の確認から必要書類の準備、交付申請までサポートしています。
「自社が補助金の対象になるか分からない」
「どの加点項目を利用できるのか確認したい」
「ITツールの導入に補助金を活用したい」
といった場合も、お気軽にご相談ください。
※本記事は、2026年9月2日時点の「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」をもとに作成しています。制度内容や公募スケジュール等は変更される場合がありますので、申請時には必ず最新の公募要領・公式情報をご確認ください。









