採択率はなぜここまで落ちたのか?IT導入補助金2025の分析と対策のカギ

IT導入補助金2025-分析と対策のカギ。採択率。申請支援
IT導入補助金2025-分析と対策のカギ。採択率。申請支援

「以前より申請が通りづらくなった」「第3回も落ちてしまった」
そう感じている方は少なくないかもしれません。実際、2025年のIT導入補助金は採択率が第1回の50.7%から第3回では30.4%へと大幅に低下しています。
この記事では、なぜここまで採択率が落ち込んだのか、その背景を明らかにしつつ、「どうすれば通るのか?」のヒントもお伝えします。具体的な対策については、弊社までお気軽にご相談ください。

採択率の急落──2025年度 通常枠の第1回〜第3回の結果を詳しく解説

回次発表日申請数採択数採択率
第1回2025年6月18日2,979件1,511件50.7%
第2回2025年7月24日3,516件1,447件41.1%
第3回2025年9月2日3,856件1,174件30.4%

2025年度のIT導入補助金は、例年にないスピードで採択率が低下しています。上記の表は通常枠の採択結果の比較表ですが、第1回目から例年よりも低い採択率でした。さらに、第2回目、第3回目と徐々に採択率が下がり、まさか30.4%も低くなるとは予想できませんでした。

通常枠だけでなく、インボイス枠やセキュリティ対策推進枠も40%前後と、全体的に厳しい結果が続いています。このような採択率の減少にはどのような原因があるのか、次に解説していきます。

なぜ採択されにくくなったのか?──背景と要因の詳細分析

審査基準の厳格化

昨年度のIT導入補助金2024では、過去の不正受給や不適切な申請が問題となりました。その影響で、2025年度から審査は一層厳格になりました。「成果が見える」申請、つまり導入効果や改善見込みの定量化など、論理的かつ具体的な説明が求められると考えられます。

申請件数の増加と再申請の集中

2025年度の申請件数の増加は顕著です。下の表は第3回目までの申請件数の合計を比較しています。2024年度と比較すると、申請件数は約1.5倍にも増加しています。これにより採択率が下がったことは明らかです。

申請件数が増加した要因としては、2024年度の追加公募での採択率が10%程度かつ多数申請したことにより、2025年の申請を待っていた事業者が多く、申請件数が増加しています。また、IT化の流れが進んでいる中で、活用しやすいIT導入補助金の競争率が急激に高まったことで、単に申請すれば採択される昨年度とは打って変わって、採択率が減少している状況になっていると考えられます。

年度申請件数採択件数採択率
2024年度(合計)6,823件5,155件75.55%
2025年度(合計)10,351件4,132件39.92%

採択実績企業への減点措置

2024年度までは、過去に採択されている事業者でも、毎年IT導入補助金を活用できる制度設計でした。

しかし、2025年からは過去に何度も採択された事業者に対しては、あえて評価を厳しくする「減点措置」が導入されており、リピーター企業が不利になる状況が発生しています。

特に、IT導入補助金2023又は2024にて交付決定を受けたことのある事業所においては、そのソフトウェアとプロセスが完全一致している場合は、不採択とする。と明確に明記されています。

以上のとおり、減点対象となっている場合に採択を目指すためには、減点を補うために加点を獲得する必要があります。

1) IT導入補助金2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)及びIT導入補助金2024のインボイス枠(インボイス対応類型及び電子取引類型)において交付決定を受けた事業者


2) IT導入補助金2025において、インボイス枠(インボイス対応類型及び電子取引類型)で申請を行っている若しくは交付決定を受けた事業者

※ なお、1)及び2)において選択されたITツールと同一の機能(会計・受発注・決済)を有するITツー
ルを導入する場合は更なる減点を行う。


3) IT導入補助金2023又はIT導入補助金2024において交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回導入するソフトウェアが有するプロセスが重複する事業者
※ なお、プロセスが完全に一致する場合、不採択とする。


4) IT導入補助金2024以降において賃金引上げ計画による加点を受けたうえで採択されたにも関わら
ず、申請した加点要件を達成できなかった事業者(やむを得ない理由によるものを除く。)

5) 中小企業庁が所管する他補助金(※)において、賃金引上げ計画による加点を受けたうえで採択されたにも関わらず、申請した加点要件を達成できなかった事業者(やむを得ない理由によるものを除く。)
※ 令和7年1月時点では、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第17次公募以降)、小規模事業者持続化補助金(第15回公募以降)、事業承継・引継ぎ補助金(第8次公募以降)、成長24型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech 事業)(令和6年度公募以降)、事業再構築補助金(第12回公募)、中小企業省力化投資補助事業(第1回公募以降)

引用先:IT導入補助金2025 通常枠公募要領 減点措置についてより抜粋

支援事業者の選定格差

申請の質は支援事業者の力量に左右される場面が多く、テンプレート的な記載だけでは審査を通過しづらくなっています。支援事業者のサポート力と申請者自身の理解が成功の分かれ道です。

他の補助金と比べても文章の記載量は少なく、申請も容易であるため、一つ一つの項目に対して、当社の課題と今回導入するソフトウェアによって得られる効果等の辻褄を合わせる必要があります。

不採択になりやすい申請の共通パターン

  • 書類に不備がある(添付ミスや記載漏れなど)
  • ツール導入の理由や自社課題との関係が不明確
  • 減点対象となっている
  • 取得すべき加点項目を取りこぼしている

これらはいずれも、採択率を大きく下げる要因になります。

弊社の分析結果では、採択させるポイントを押さえており、上記のような不採択になりやすい申請を改善して、採択率が向上できた支援事業者が数多くおられます。

全件落ちてしまった。採択率が悪くて困っている。そういったベンダーの方々はぜひ、当社の補助金申請サポートをご利用ください。

採択の確率を高めるには?今からできる準備とは

  1. 成果指標を具体的にする
  2. なぜこのITツールを導入するのか、理由を明確に
  3. 支援事業者は“実績”と“伴走力”で選ぶこと

IT導入補助金2025の採択率を踏まえて、支援事業者も申請する補助事業者の方もせっかく前向きにIT化を進めようとしていたところに水が差されたような状態になっているかと思います。

そのような中、弊社では第1回目から採択率を向上させており、第3回目の結果を踏まえて採択のポイントを掴むことができました。特に通常枠の申請は厳しい結果となっておりますが、多くの申請サポート結果を分析したところ、採択と不採択の違いを発見しています。

今からできる準備は、早く当社のような支援事業者様を強くサポートできる協力者と協業することです。

最後に:採択されたいなら“採択ポイントを掴んでいるサポーター”の力が必要です

採択率が年々厳しくなる中、「なんとなく申請」では通りません。必要なのは、正しい知識・論理的構成・実績ある支援体制です。

私たち株式会社ai-soumuでは、IT導入補助金の申請において多数の支援実績があり、採択に向けた具体的なアドバイスと申請書作成の伴走支援を行っております。

採択率を上げたい。申請サポートを受けたい。そういった方は、ぜひ一度ご相談ください。初回のご相談は無料で対応しております。


この記事を書いた人

株式会社 ai-soumu(エーアイソウム)
代表取締役 上瀬戸研次
中小企業診断士

事業会社にて18年に渡り経理・総務・人事・情報部門といったバックオフィス業務に従事。
会社設立後はバックオフィスの業務改善・DXの専門家として、IT導入補助金を活用してクラウド会計をはじめ、各種SaaSの販売および導入支援を行う。

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