人手不足に悩む宿泊事業者必見!最大500万円の補助金「観光地・観光産業における人材不足対策事業」三次公募が2024年9月2日(月)より開始されます!

宿泊業の人材不足解消に向けた取り組みを支援する補助金「観光地・観光産業における人材不足対策事業」の三次公募が2024年9月2日に開始されます。採択され、期間内に計画通り事業を完了させた場合、上限500万円、補助率2分の1の補助金が支給されます。

目次

宿泊事業者が対象!「観光地・観光産業における人材不足対策事業」とは?

2024年の訪日外国人観光客数は、3,500万人の旅行者数、8兆円の旅行消費額との見通しが示されており、コロナ禍前の2019年を超えて過去最高水準となる見込みです。しかしながらコロナ禍で離職が多かった宿泊業界では深刻な人手不足に陥っており、稼働率を下げて営業せざるを得ない状況にある宿泊施設も少なくありません。

この補助金では、増加が見込まれている観光需要を着実に取り込み旅行者数・旅行消費額等を増加させ、観光立国を実現するにあたり、受け皿となる宿泊業のサービス水準の向上・賃上げを達成することを目的としています。そのため、補助対象事業者となるのは、地域と連携して訪日外国人宿泊者数を向上させる取組や人手不足解消のための取組を行っている宿泊事業者となります。

補助対象となるのは、自動チェックイン機や清掃ロボット、配膳ロボットなど、人手不足を解消するための設備投資やサービス導入に関わる経費です。補助率は2分の1、補助上限額は500万円です。 第三次の公募期間は2024年9月2日(月)~9月30日(月)17:00(参加申し込みは9月25日17:00まで)、事業実施期間は2025年1月17日(金)までとなります。

補助上限額は500万円!具体的な補助対象経費や補助要件は?

補助率は2分の1、補助上限額は500万円です。

補助対象経費として認められるのは、宿泊施設において実施する人手不足の解消に資するシステム、設備および備品の購入、導入および設置に要する経費です。

<例>

補助要件として、下記(1)~(3)のすべてを満たす必要があります。

(1)次の①又は②のいずれかに該当すること
  ①宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインの登録を受けている、または登録申請をしていること
  ②金融商品取引法第24条に基づき有価証券報告書を内閣総理大臣に提出する会社又はその子会社及び関連会社であり、かつ観光施設における心のバリアフリー認定制度の認定を取得済み又は1年以内に取得予定である方
(2)地域(DMO、地方公共団体等)と連携し、訪日外国人宿泊者数を向上させるための取組を行っていること
(3)地域(DMO、地方公共団体等)と連携し、地域一体での求人活動等、人手不足解消のための具体的な取組を行っていること

「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドライン」、「観光施設における心のバリアフリー認定制度」については後述します。

(2)・(3)については、DMO(観光地域づくり法人)等、地域と連携した取り組み実績が必要です。連携している団体が宿泊施設の所在する地域で活動する公的な団体であること、当該団体と宿泊施設がどのように連携しているか、過去3年以内に実施している取組であるか等が審査されます。

事業の流れについて

申請手順・事業実施の流れは以下の通りです。

① 公募要領を確認し、2024年9月25日(水)17:00までに参加申込フォームより応募します。

② 補助金事務局から送られてくる案内に沿って、必要書類を準備し、2024年9月30日(月)17:00までに計画申請の手続きを行います。マイページへログインし、事業計画の入力見積書等の必須書類の添付を行います。

③ 補助金事務局が公募締切後10営業日を目処に審査を行い、審査完了後に審査結果がメールで通知されます。

④ 採択された場合、交付申請の手続きを行います。

⑤ 補助金事務局の審査後、正式に交付決定通知が届きます。正式な交付決定の後に事業を開始することが可能です。申請した計画に沿って事業を実施し、原則銀行振込にて支払まで完了させます。

 ※交付決定前に発生した費用に関しては、すべてが補助対象外となりますのでご注意ください。

⑥ 事業完了日から30日以内または2025年1月17日(金)のいずれか早い方までに完了実績報告書および精算書類を提出します。

⑦ 精算書類提出後、「額の確定通知」が発出されます。「額の確定通知」に記載の金額にて補助金請求書を提出すると、最大45日以内に補助金が入金されます。

申請に必要な書類

計画申請には、下記書類が必要です。

(1)【様式1】事業計画書 ※申請フォームに直接入力
 ⇒申請事業者の情報、宿泊施設の所在地・客室数・客室稼働率・年間宿泊客数・従業員数等の情報、地域と連携した外国人宿泊者数を向上させるための取組状況・人手不足解消のための取組状況、効率化したい業務内容、効率化するために導入するシステム等の概要・効果・選定理由・導入スケジュール等について詳細に入力します。
(2)【様式2】費用積算書
 ⇒導入するシステム等の名称、価格、補助を受けようとする額、自己負担経費等の一覧を作成します。
(3)設備等導入前の写真
(4)旅館業法の許可証の写し
(5)下記①・②のうちいずれか

  ①宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録制度に登録されている、または登録申請中である証跡(申請受付メール)
  ②有価証券報告書・心のバリアフリー制度認定証
(6)地域と連携した取組が把握できる資料(必要に応じて提出)
(7)見積書、相見積書(2者以上から取得が必要)
(8)導入を予定しているシステム、設備および備品のカタログ等(概要が明示されているもの)
(9)その他、申請内容を補足する参考資料(必要に応じて提出)

「観光施設における心のバリアフリー認定」が必要!

「観光地・観光産業における人材不足対策事業」に申し込みをするには、「観光施設における心のバリアフリー認定」の取得が前提となります。現時点で取得していない場合、1年以内に取得する必要があります。

「観光施設における心のバリアフリー認定制度」とは、バリアフリー対応や情報発信に積極的に取り組む姿勢のある観光施設を認定する制度です。登録されると観光庁ウェブサイトで施設名が公表されたり、認定マークをPRに使用できたりといったメリットがあります。

認定基準・申請方法

「観光施設における心のバリアフリー認定制度」に認定されるには、次の基準をすべて満たす必要があります。

施設のバリアフリー性能を補完するための措置を3つ以上行い、ご高齢の方や障害のある方が施設を安全かつ快適に利用できるような工夫を行っていること
 【例】聴覚障害者向けにテレビの字幕を表示できるリモコン、筆談器具・コミュニケーションボードを用いた施設の案内、車いすの通行幅を確保するための机・椅子の配置・移動など
② バリアフリーに関する教育訓練を年に1回以上実施していること
 【例】障害を持った顧客へのコミュニケーションやサポートに関する外部研修に参加、観光庁の作成したマニュアルを活用し、社内勉強会を実施、など
③ 自社のウェブサイト以外のウェブサイトで、施設のバリアに関する情報などのバリアフリー情報を積極的に発信していること
 【例】宿泊予約サイト、グルメ予約サイトなどにバリアフリー情報を掲載、など

「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の認定を受けるには、申請書を作成し、認定施設の所在地を所管する地方運輸局等の担当課にメールで送付します。

新規認定には「新規申請書」を作成します。「新規申請書」には下記内容を記入します。

(1) 申請の対象となる施設の概要(名称、所在地、担当者、連絡先など)
(2) 取組の概要
   認定基準①:施設のバリアフリー性能を補完するための措置3つの種類・内容・写真
   認定基準②:バリアフリーに関する教育訓練について、過去1年以内の実施時期・種類・内容・資料等および今後5年間に実施する予定の教育訓練の内容と実施予定時期
(3) ロゴマークの使用用途

申請書類に不備がある場合は修正し再申請を行い、不備がない場合は認定通知書等がメールで送付されます。その後、観光庁ウェブサイトにおいて、認定番号と認定施設名等が公表されます。

認定の有効期間は当該認定の日から起算して5年となり、更新する場合は更新申請書の提出が必要です。

「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドライン」の登録が必要な場合も

「観光地・観光産業における人材不足対策事業」補助要件(1)の②に当てはまらない場合、①に記載のある「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドライン」にて「高付加価値経営旅館等」または「準高付加価値経営旅館等」に登録されることが必要です。現時点で未申請の場合、交付申請時までに申請し、完了実績報告時までに登録されていなければなりません。

補助金に採択されても、完了実績報告時までに「高付加価値経営旅館等」または「準高付加価値経営旅館等」に登録されなかった場合、補助金を受け取ることはできません。

また、計画申請までに「高付加価値経営旅館等」に登録されている場合、採択にあたって優先されます。

「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドライン」とは?

「高付加価値化のための経営ガイドライン」は、新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んでしまった観光産業が立ち直るために、特に中小規模の宿泊事業者が宿泊施設の高付加価値化に向けた経営を行う上で必要となる取組を整理したものです。

ガイドラインには、高付加価値化に向けて経営、人事・労務環境、IT活用状況の分野で取り組むべき内容が記載されています。

申請書類

申請に当たり、必要な書類は以下の通りです。

(1)新規登録申請書

(2)旅館業法第三条第一項の規定による許可を受けていることを証する書類

(3)添付書類(下記参照)   ※「●」は必須書類

「高付加価値経営旅館等」に認定されれば補助金採択審査時に有利ですが、必要書類が多く、ハードルは高めかもしれません。

「準高付加価値経営旅館等」への登録申請でも補助要件を満たすことが可能ですので、まずは「準高付加価値経営旅館等」への登録を検討されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

訪日外国人に関する2030年の政府目標は、訪日客数6,000万人(2024年は3,500万人の見通し)、旅行消費額15兆円(2024年は8兆円の見通し)と、非常に高い水準となっております。今後も観光客数は増加していくと考えられ、宿泊施設の受入環境整備やサービス水準の向上がますます求められるようになります。

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参考・引用資料1:観光庁「観光地・観光産業における人材不足対策事業 特設ウェブサイト(https://kanko-jinzai.go.jp/

参考・引用資料2:観光庁「観光施設における心のバリアフリー認定制度」(https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kokorono_barrier-free/index.html

参考・引用資料3:観光庁「高付加価値経営旅館等」(https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kihonkeikaku/jizoku_kankochi/kankosangyokakushin/saiseishien/kofukakachi.html

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