デジタル化・AI導入補助金2026の変更点まとめ【2026年3月最新版】

2026年度から、これまでの「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」として展開されます。名前が変わったことで「制度が大きく別物になったのか」「昨年度(IT導入補助金2025)と比べて、何を見直すべきか」が分かりにくい…という声も増えています。そこで本記事では、「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」の2026年の変更点を整理します。

目次

デジタル化・AI導入補助金2026の変更点は「賃上げ要件」と「加点項目」

2025(第7回公募)の通常枠で150万円以上を申請する場合、賃上げ要件の中心は 「給与支給総額」 の年平均成長率(3年計画)という“総額指標”でした。2026はここが 「1人当たり給与支給総額」 へ置き換わり、目標水準も引き上げられています。人数増で総額が伸びる見せ方が通りにくくなり、採用計画・雇用形態の変更・賞与設計など、人員構成まで含めた計画整合が重要になりました。

加点項目は、2025にあった「地域未来投資促進法」関連や「地域未来牽引企業」などの“地域系”が目立つ構成から、2026では 省力化ナビ のように「申請前にやるべき行動が明確で、実施の事実が確認できる」実務寄りの項目が前に出ています。

通常枠:150万円以上申請の賃上げ要件「1人当たり給与支給総額」へ

2025(第7回公募以降)の通常枠では、150万円以上の申請で、3年間の事業計画において 給与支給総額の年平均成長率(一定以上) を満たすこと等が求められました。ここでの“総額”は、事業規模の拡大(採用増)でも伸び得るため、計画上は「人を増やして総額を上げる」方向性も組み立てやすい設計でした。

加えて、150万円以上では 事業場内最低賃金(地域別最低賃金+一定額)と、賃上げ計画を申請時点で策定し従業員に表明していること等がセットで求められ、未達時の扱い(返還等)のリスクも示されています。つまり、2025の150万円以上は「IT投資の妥当性」だけでなく「賃上げ計画を“公的に約束する”重さ」がある区分でした。

ところが、2026の通常枠では、150万円以上申請で求められる中心指標が 1人当たり給与支給総額の年平均成長率(3年間) へ置き換わりました。目標水準も 年平均3%以上(一定の過去受給者は3.5%以上) と、2025より高い水準として整理されています。これは、採用増で総額が伸びるだけでは成立しにくく、「従業員1人当たりで見ても賃金が伸びる」計画 を要求する設計です。

加点項目の構成の入れ替え:2025→2026は「地域系」から「実務行動(確認可能)」へ

2025(第7回公募以降)の通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)では、加点項目として「地域未来投資促進法」関連や「地域未来牽引企業」など、地域政策に紐づく項目が存在し、他の加点(クラウド選択、セキュリティ、IT戦略ナビwith、健康経営、えるぼし/くるみん、成長加速マッチング等)と並列に配置されていました。 

2026では、加点の設計がより“行動ベース”に寄ります。象徴が省力化ナビで、交付申請の締切時点までに所定の手順で活用し、申請に用いるGビズIDプライムを入力していることが加点要件として明記されています。これは「診断・学習・確認をした事実」を、ID入力という形で突合できる作りで、2025の地域系とは異なる方向性です。

さらに、インボイス枠では、適格請求書発行事業者の登録に関する“実行約束”が加点となります。インボイス対応類型の趣旨(インボイス制度対応の後押し)に沿って、制度目的に直結する行動が評価される流れで、2025よりも“政策目的と加点の結びつき”が読み取りやすくなっています。

「省力化ナビ」とは:デジタル化・AI導入補助金2026の新規加点項目

要件はシンプル:締切までに活用し、申請に使うGビズIDプライムを入力する

省力化ナビの加点要件は、通常枠・インボイス枠ともに「交付申請締切日時点において、所定のサイトを活用し、生産性向上の知見を確認していること。その際、本事業の申請に用いたGビズIDプライムを入力すること」という趣旨で記載されています。ここで重要なのは、“見たかどうか”ではなく 締切までにID入力を伴って要件を満たしている状態 にする点です。

いつ動くべきか:省力化ナビは「2026年3月下旬頃に開始予定」

実務上さらに重要なのが提供開始タイミングです。公式のお知らせでは、省力化ナビがデジタル化・AI導入補助金の加点項目であり、サービス開始が「2026年3月下旬頃」予定で、開始前は利用できない旨が案内されています。したがって支援事業者は、顧客に「とりあえず今やっておいてください」とは言えず、開始後すぐに実施→ID入力まで完了 という運用設計が必要です。

ちなみに、「省力化ナビ」は5分程度で完了する設問に回答するものです。GビズIDプライムが必要ですが、未取得の場合、取得までに1~2週間要します。まずはGビズIDプライムの取得状況の確認から行うと良いでしょう。

何が得られるツールか:業種・課題を選ぶと、省力化・効率化の知見を確認できる

同お知らせでは、省力化ナビが中小企業向けに省力化・業務効率化の知見を届ける趣旨であることが示されています(業種や課題に応じて解決の方向性を確認するイメージ)。加点のためだけに“通過”するのではなく、顧客の現状課題(例:受発注、会計、労務、現場管理など)と、導入するITツールの業務プロセスを結び付けて説明できるようにしておくと、提案書の説得力にもつながります。

加点項目はできるだけ多く取得する

IT導入補助金2025は、2024年度と比較して採択率が大きく低下しました。2025年度以降では、加点項目を1つでも多く取得することが採択率を高めるために必要な条件となりました

デジタル化・AI導入補助金2026でも、その傾向は変わらないと思われます。「省力化ナビ」は、おそらくハードルの低い加点項目の1つとなることが予想されますので、必ず取り組むようにしましょう。

デジタル化・AI導入補助金の交付申請スケジュール

本コラム執筆時点(2026年3月25日)では、通常枠とインボイス枠においては第4次までの申請スケジュールが発表されています。IT導入補助金2025と同様、およそ月1回のペースで締切日が設けられています。

【交付申請スケジュール】※通常枠・インボイス枠共通

締切回申請締切日交付決定日
(予定)
事業実施期間
(予定)
実績報告期限
(予定)
1次締切2026年5月12日(火)17:002026年6月18日(木)交付決定~2026年12月25日(金)17:002026年12月25日(金)17:00
2次締切2026年6月15日(月)17:002026年7月23日(木)交付決定~2027年1月29日(金)17:002027年1月29日(金)17:00
3次締切2026年7月21日(火)17:002026年9月2日(水)交付決定~2027年2月26日(金)17:002027年2月26日(金)17:00
4次締切2026年8月25日(火)17:002026年10月7日(水)交付決定~2027年3月31日(水)17:002027年3月31日(金)17:00

交付申請をし、不採択だった場合は次の締切スケジュールで再度申請できます。例えば、1次締切で不採択だった場合は、3次締切で再挑戦することが可能です。公募は何次まで続くか分かりません。早めに申請すると再チャレンジできる可能性も高くなりますので、早めに準備を進めて交付申請を行うと良いでしょう。

スケジュールはデジタル化・AI導入補助金公式ウェブサイトで更新されていきますので、定期的に確認することをお勧めします。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金2026は、基本的な部分はIT導入補助金2025を踏襲しています。しかし、通常枠150万円以上の場合の賃上げ指標や、加点項目など、細かい部分が変更になっています。

IT導入支援事業者、申請事業者ともに公募要領を早期に確認し、特に加点項目はできるだけ多くの加点を得られるように準備を進めていくことが望ましいです。

株式会社ai-soumuは、IT導入補助金支援事業者でもあり、これまで800件以上の補助金申請を支援してきた実績のあるサポート会社です。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください

この記事を書いた人

株式会社 ai-soumu(エーアイソウム)
代表取締役 上瀬戸研次
中小企業診断士

事業会社にて18年に渡り経理・総務・人事・情報部門といったバックオフィス業務に従事。
会社設立後はバックオフィスの業務改善・DXの専門家として、IT導入補助金を活用してクラウド会計をはじめ、各種SaaSの販売および導入支援を行う。

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